GPTトークンとは?
GPTトークンとは、GPT言語モデルが入出力を表現するために使用するテキストの単位です。
GPT言語モデルはトークンを使って単語やフレーズ間の統計的な関係を学習し、学習済みのテキストに類似した新しいテキストを生成します。
Chat GPTなどの対話型AIでは、AIの性能によってトークン長(GPTが文脈を意識できる過去の単語数)が異なります。
GPTトークンの種類
GPTがトークン化する際に使われるのは主に下記の3種類です。
- スペース区切りのトークン化
- 句読点や記号のトークン化
- 文字単位でのトークン化
それぞれの違いは以下の通りになります。
トークン化の種類|説明|長所|短所 |:---|:---|:---| スペースデリミタによるトークン化|トークンはスペースで区切られる。シンプルで実装しやすい。 特に長い単語を持つ言語では、過剰なセグメンテーションになる可能性がある。 句読点と記号によるトークン化|トークンは句読点と記号で区切られる。スペース区切りのトークン化よりも正確だが単語が分割されてしまうなど、課題も多い。 文字単位でのトークン化|各文字がトークンになる。時間や計算が非常にかかる。
GPTの「トークン長」とは?
トークン長は、GPTが回答を生成する際に参照するトークンの長さ、数です。
GPTが回答をする際には、適切な回答を生成するために過去の会話を参照しますが、回答を生成する際に設定されたトークン長を超える過去の単語は参照しないことがあります。
そのため、長い会話の場合は、直前の数回の会話だけが参照されることがあります。
つまり、同じ質問、会話であれば、GPTのトークン長が長いほど、過去の会話を十分に理解した上で回答を生成するため、回答の精度が高くなります。
GPTトークン長にカウントされるもの
GPTトークンは一般的に単語ですが、GPTがトークン長をカウントする際には、句読点、数字、その他のシンボルを基準にすることもあります。
対話型AIで人気のChat GPTでは英語でも1単語で1トークンとしてトークン長をカウントさし、カンマやピリオド、クエスチョンなどの記号も1トークンとしてカウントされます。
一方で、日本語の場合は、ひらがなは1トークン、漢字は2、3トークンにカウントされます。
GPTトークン長がなぜ重要性なのか?
単にトークン長を大きくするだけがモデルの性能向上につながるわけではありませんが、トークン長はモデルの性能に影響を与える重要な要素の一つです。
トークン長が増えることで、文脈を考慮した生成が可能になるため、より自然な文の生成が可能になります。
例えば、Chat GPTではGPT-3.5ではトークン長が4097なのに対して、GPT-4は3万2768と8倍近く増えており、より自然でよりユーザーの意図を汲み取った回答をするようになっています。
対話型AIを使う上でのGPTトークン長の意識の仕方
では、実際に対話型AIを使う上でトークン長をどう意識すべきかというと、「AIが入力内容をどこまで遡って生成しているのか?」という判断材料になるということです。
GPTモデルは過去のトークンを参照して次のトークンを生成します。その際に、過去のトークンの重要性に応じて、適切な長さの文脈を考慮しますが、入力の一部が切り捨てられたり、過去の履歴が参照できなくなることで、回答が不適切になる可能性はあります。
一方で、トークン長が短い(命令が短い)場合は、GPTモデルが適切な回答を判断する材料が少なく、逆に望んだ回答を得られなくなる可能性も出てきます。
また、「GPTが、これまでの会話のどこまで参照するのか?」というのも重要なポイントです。例えば、一度間違った内容を入力した際、GPTは新規の入力だけで過去の入力を考慮した上で回答をしてしまうため、新規の入力とは関係のない回答をする場合があります。
この場合は、新規の会話を作成して命令し直すなど、一度過去の内容を参照しないように命令をするなどの工夫が必要です。
このように、対話型AIが「どれくらいの長さの文章であれば理解できるのか?」という判断をする上で、GPTトークン長を意識して命令を入力すると、対話型AIより活用することが出来ます。
新着記事
- No Image障害?ChatGPTなどOpenAI社のサービスのステータスを確認する方法
ChatGPTなどOpenAI社のサービスで何か不具合があった時に、障害が発生しているのか、サービスのステータスを確認する方法と、自動で知ることができる便利な方法を解説します。
- No Image対話型AIのプロンプトを作る時は「プログラミング的思考」を取り入れると良い理由
対話型AIの回答を最適化するプロンプト。プロンプトを作る際には、「プログラミング的思考」を取り入れると良い理由を解説します。
- No ImageAIで生成したコンテンツの著作権はどうなる?
簡単にコンテンツを生成することが出来るAIサービス。便利に使う一方で、AIで生成したコンテンツの著作権はどうなるのかを知っておく必要もあります。
- No Imageこれだけは覚えておきたいAIの仕組み
難しい単語や複雑な仕組みが登場するAI。今回は、AI初心者でも理解できるように、最低限これだけは覚えておきたいAIの仕組みについて解説します。
- No Image主なジェネレーティブAIのバックエンド技術の種類と活用方法
ジェネレーティブAIには様々な種類があり、それぞれバックエンド技術の違いによって特徴や活用方法が異なります。ここでは簡単にジェネレーティブAIのバックエンド技術を解説します。
- No ImageChatGPTで文章校正・間違いチェックをする方法とメリット・デメリット
文章校正は非常に時間がかかるで作業ですが、ChatGPTに依頼することでストレスと時間、何よりもコストを大幅に削減することが出来ます。
- No Image対話型AIを使う上で知っておくべきこと、心構え
簡単で便利な対話型AI。しかし、何も知らずに使っていると思わぬリスクを負う可能性もあります。今回は、対話型AIを使う上で知っておくべきことや心構えについて解説します。
- No Image対話型AIに英語で質問するメリット・デメリット
対話型AIには「なぜ英語で質問する良い」と言われるのか、逆に英語で質問することのデメリットは何なのか、バックグランドや実際の作業をベースに解説します。
- No ImageChatGPT & Bing Chatで使える万能フレーズまとめ
ChatGPTやBing Chatを使っているとうまく回答を引き出せないことがあります。そんな時に簡単に使える万能フレーズをまとめました。
- No ImageAIの学習モデルの種類と主な自然言語系AIの利用モデル
AIで利用されているモデルの学習方法の違いと、主な自然言語系AIで利用されているモデルの種類や特徴をまとめました。